#16 地区優勝
5日間のシカゴ野球観戦旅行で頭の中はメジャーリーグのことばかり。で、帰ってきた翌日はSKYDOMEへ野球観戦。8月中にちゃんとチケットを買っておいたので今度はダフ屋の世話にならずにすんなりと入場。ただし、席は5階席。BlueJaysはこの当時は常勝チームでずーっと優勝争いに絡んでたし(最近は低迷してるけどね・・・)、SKYDOMEは世界初の開閉式屋根付球場ということで球場自体にくる人達もいたんだよね。ということなんで、チケットを購入できてたということでかなりラッキー。文句はいえんと応援に励む。
2日後、気づくとまたSKYDOMEの前に立っている。どーも、野球を観ないと禁断症状がおこるようになり、というのはウソだけど、野球を観るということがトロント滞在の一番の目的だったから体が勝手に動いちゃうんだよね。それに、今日の対戦相手は NewYork Yankees。別に Yankees が好きなわけでも何でもないんだけど、相手側の今日の予想先発投手が Jimmy Key って書いてあったんだんよ。彼は僕が大好きな投手で、実は去年までは BlueJays の左腕エース!トロントで一番見たかった選手はまさに彼だったんだよね。でも、フリーエージェントで Yankees に移籍していてそれもかなわぬ夢と・・・って思ってたときの偶然の先発。行くっきゃないでしょ?でも、今日はチケットなし・・・。ということは、ダフ屋と交渉しないといけないじゃないか。で、交渉開始。来たときはまったくといっていいくらい、相手の言ってることが聞き取れなかったし、言いたいことをいえなかった僕もこの2ヶ月でなぜかなんとなく言ってることがわかるようになっていた。相変わらず話すのはたどたどしかったけどね。
いやー、ダフ屋って吹っ掛けてくるね。トロントで一番良い席って当時$19.50。これを日本人だとばかりに$300.00って言ってくるんだよ。で、当時のカナダドルって$1が80円くらだったんで日本人にとってはいいレートだったということもあり、金満ニッポンの旅行者はたいして値切りもせずにポンポンと買っていくんだよ。でも、でも、僕は貧乏滞在者。そんな金額ではまったく手が出ないんで交渉を。けど、これが難しい。$40.00くらいしかだせないというと$19.50ではなく、5階席(それでも$11.00)を勧めてくる。まぁ、ダフ屋としては当然だよね。でも、僕としてはなんとか Key を間近で見たいんで$19.50の席は譲れない。で、あーだこーだと粘っているとダフ屋が「このチケットだったら$80.00で売ってやる」と言ってくる。見るとチケットには$19.50の印刷が!悩んだ。やっぱり$80.00は高い、でも、次の瞬間チケットは僕の手の中に・・・。買っちまったー。まぁ、Key のピッチングを見ないで後で後悔するよりはいいだろと納得させて球場へ。やっぱり、うれしい気分である。
席を探すためにチケットを見る。えーっと、GATEは15で、AISLEは243。んん?243だって?普通、1階席は1××なのになんで?ちょっと不安を感じつつも席を探すと、そこはなんと外野2階席であった・・・。このときに思い出したんだよね。日本では外野席っていうのは一番安い席だけど、向こうでは一概にそうじゃないんだよ。SKYDOMEは内野の2階にVIPルームがあって、一般の席は外野のみ。こういう状態だと、2階の人口密度って他の階に比べるとかなり低いわけよ。ということは、1人あたりのトイレの数とか売店の数が増えるからとってもいい席だっていうことで、チケットの値段は高くなる・・・。メジャーリーグ通を自負していた僕が、こんなことを忘れてしまうなんて・・・。まぁ、Key のピッチングは遠くてあんまり見えなかったけど、幸か不幸かブルペンが外野フェンスの裏側にあったから、試合前にバッチリ間近で見れました。必死にカメラのシャッターを押すも現像してみたらどれもボケボケ。ブルペンは暗かったからシャッタースピードが遅くてね。試合は、Key が打たれて BlueJays の勝利。ちょっぴり複雑な気分だったけど、いよいよ優勝へのマジックは3になり秒読み態勢。あとはその時を待つのみである。
待つのみといって待っていられるほど人間穏やかなものではない。案の定、2日後にはまたSKYDOMEへ直行である。でも、これはしょうがない。なんてったって、今日勝てば地区優勝。家にいられるわけがないんだよね。というわけで、またダフ屋と交渉。前回の教訓を生かし、今回はばっちり1階席をゲット!しかも、ベンチ裏の前から3列目といういい席で優勝がみれるなんて、僕はなんてラッキーなんだろうと思いながらの観戦となる。が、世の中そんなに甘くないようで、残念ながら優勝はおあずけ。BlueJays は遠征へとでてしまったのであった。まぁ、その後 BlueJays は無事に3年連続の地区優勝を決め、League Championship Series へと駒を進める。つまり、僕のSKYDOME通いも続くことになったのである。お、お金が・・・。