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#17 チケット

BlueJays 地区優勝をただ喜んでいるだけでは何もはじまらない。チケットを入手しないことには試合は観れないからだ。で、「朝からSKYDOMEのチケット売り場で販売する」という情報を入手。それならばとばかりに、チケット購入のために並ぶことを決意!夜から並んでればチケットは買えるだろうと夜10時頃にSKYDOMEへ行くものの、なーぜか誰もいない。あれ?なんで?日本だと結構並ぶじゃない?と思いながらも、誰もいないSKYDOME前に夜通しいるのはちょっとバカバカしかったし、さすがに怖かったんでやめました。

翌朝はチケット購入のために6時起床。7時にSKYDOMEに着くと、5人ほど並んでいる。6人目ならバッチリ買えるねと思い喜んで並んだんだけど、問題が一点あり。さ,寒すぎる・・・。並んでるときの気温わずか3℃。まぁ、もちろんこれは朝の気温であって最高気温はちゃんと10℃にはなっているんだけど、これって東京の真冬の気温じゃないか・・・。やっぱりカナダって寒いのね。なーんて、呑気に考えてらんないんだよね。だって、僕、冬服持ってないんだもん。まさか、こんなに早く寒くなるなんて思ってなかった僕は、トロントに来るときは夏服しか持ってきてなかったんだよね。で、9月初旬にちょっと寒くなってきたんで、日本にいる親に「冬服おくってくれー」って頼んでたんだけど、何故かまだ届かない。しょーがないから、僕はTシャツやらポロシャツやら長袖シャツを重ね着し、友達からパーカーを借り、シカゴに行くときに買った頼りなげな薄手の上着を着ての出陣となっていた。まぁ、これだけ来てればたいていの人なら寒さは凌げるんだろうけど、実は僕究極の寒がりなんです。日本にいるときは誰よりも厚着をし、それでも寒いと友達のコートをぶん取って着てしまうほどだから、これでもかなりきつい。おまけに、SKYDOMEはオンタリオ湖の傍にあるから湖からの風も寒い寒い。

ガタガタ震えながらチケット販売を待つこと約3時間。すでにチケットを買い求める人達の列はかなりの長さになっている。ん?向こうからSKYDOME関係者が歩いてくるではないか!よっしゃー、待った甲斐があったーと涙するも、どこか他の人の様子がおかしい。あれれ?みんな帰っちゃうじゃん?なんで?と思いながら前に並んでた中年オヤジに問いただすと、「今日は売らないんだとよ」の一言・・・。神よ!あなたは何故にこんな試練をあたえるのか?結局、チケット入手は翌日に持ち越しとなってしまった。でも、日本だったらそのままみんな並んでるのに向こうの人って帰っちゃうんだよね。まぁ、僕もこの寒さの中ずっと並んでたら、死んじゃいそうだからちょうどよかったってもんさ。

仕切りなおしの2日目。天気予報では最高気温は7℃、最低気温は1℃らしい・・・。こりゃ、今日チケット売ってくれないと死ぬなと思いながらも SKYDOMEに向かう僕。ただのバカか?いやいや、バカは僕だけじゃなかった。昨日と同じ5人がきちんと並んでるじゃないか!Good Morning の挨拶とともに僕も列に加わり、みんなでガタガタ震えながら販売のタイミングを今か今かと待っている。が、10時すぎにまたもや関係者登場で今日もチケット販売をしないことが判明。 すごすごと家路につくのであった。

3日目も同様にチケット販売はなし。僕の体力もそろそろ限界に近くなってきた4日目。いつものように6番目に並び待つこと3 時間。またまた、オヤジが歩いてくる。おーい、今日も売らないのかよーとみんなでブーイングをしていると「12時から販売開始します」のアナウンス!ついに報われる日が来たのだー。そこからの2時間はもう苦痛でもなんでもなくなって、寒さなんかもすっかり忘れて・・・はいなかったんだけど、とにかく楽しく待てました。途中、観光バスがSKYDOMEに乗り付けてきて、バスの中からうんちゃんが「チケットはここかい?」と 聞いてくる。そうだと言うと、うんちゃんバスから降りてきて列に並んじゃうじゃないか!唖然として見ていると、「今、お客さん観光中だから、待ち時間なんだよ」の回答あり。だからって、普通くるかい?しかも、観光バスで!ちょっと日本じゃ考えられないシーンもあり、かなり楽しませていただきました。肝心のチケットはといえば、ちゃんと12時から発売され、僕は3試合分の自分のチケットと、予備のチケットをたんまり購入してにんまり帰宅。なんで予備のチケットがいるのかって?まぁ、友達が欲しいといえば譲ってあげるつもりだったし、なんといっても良い席はダフ屋が高く買ってくれるから。ちょっと本当にお金なくなってきてたんだよね。このままでは生きていけず路頭に迷うことが目に見えてたもんで、ここはダフ屋に売って少し稼いどこうってね。

はっきり言って、無茶苦茶きつい4日間。本当に寒さで倒れるんじゃないかって思ったけど(ちょっと大袈裟)、無事に買えて良かったー。まぁ、きつかったことは事実なんだけど楽しかった面もあり。毎日列の1番から6番目の僕までは同じ人。で、朝からずっとならんでりゃ、当然のように話をするわけで、しかも野球のチケット買うために並んでる人達の話題なんて野球のことだけ!何年の誰々はすごかっただとか、あのプレーは最高だったとか、何年のチームはBlueJays至上最強だとか etc。日本じゃ BlueJays っていっても知ってる人はほとんどいなかったし、その中の選手の話なんて誰ともできなかったけど、この人達の頭の中には数年前からのデータがバッチリ詰まってるんだよね。で、僕もファンになってからすでに7年目だったから話題ピッタリ。寒さに震えながらも、野球談義に花を咲かせていたのさ。うーん、やっぱり並んで良かった。

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